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ホーム >  重要なお知らせ >  新型コロナウイルス感染症に関する当院の対応について >  漢方外来からのお知らせ COVID-19オミクロン株流行期の軽症者に対する漢方治療について(医療従事者向け)

漢方外来からのお知らせ COVID-19オミクロン株流行期の軽症者に対する漢方治療について(医療従事者向け)


2022年8月15日
中東遠総合医療センター 総合内科 漢方外来 大瀬綾子
一般の方向けの記事ではありません。市販薬と医療用製剤は成分量も異なります。
現在の流行期における軽症者に対する当外来における治療内容を紹介します。2022年1月以降の治療例は約200例です。内容は今後も修正変更する可能性があります。

主な症状

症状は、発熱、頭痛、咳、鼻汁鼻閉、咽頭痛が多く、下痢や嗅覚味覚障害もみられます。

処方

使用している具体的な処方は主に以下の通りです。

A)下痢をしていない、かつ 手足の冷えがない
葛根湯加川芎辛夷(当院採用薬番号2)+ 小柴胡湯加桔梗石膏(同109)

同109の入手困難時は、小柴胡湯(同9)+ 桔梗石膏(同N324)を使用
【注意点】

  1. 高血圧がコントロールできていない人、頻脈性不整脈のある人、前立腺肥大による排尿困難がある人の場合は、小柴胡湯加桔梗石膏だけにしています。葛根湯加川芎辛夷には「麻黄(まおう)」が含まれ、血圧や心拍の上昇、排尿困難を起こすことがあるためです。

  2. 処方日数は、第7波では10日を基本にしています。2剤とも3包/日の場合、「甘草」が4.0g/日と多く、偽アルドステロン症(高血圧、浮腫、低カリウムのうち1~3症状、治療は甘草製剤の中止、スピロノラクトン)を起こすおそれがあります。高齢女性は発症リスクが高いため適宜減量します。通常は短期間の投与で問題が起こる可能性は低いです。

  3. 「小柴胡湯加桔梗石膏」「小柴胡湯」について:間質性肺炎はまれな副作用です。肝障害は約1%程度の頻度で起こり得ますが、通常は中止により速やかに軽快します。いずれも短期間の投与で問題になる可能性は極めて低いと考えます。どちらもアレルギー性と言われていますので、漢方薬による副作用の既往がある場合は投与を控えます。

  4. 体重60kgを目安に、常用量(3包/日)から体重や体格、年齢に応じて増減させます。
    例:40kg台 2包/日、 70kg台 4包/日 など

  5. 鼻症状や嗅覚障害がある場合は、葛根湯よりも葛根湯加川芎辛夷が適しています。常備薬や咳止め、解熱剤など西洋薬とは問題なく併用しています。ただし、COVID-19治療薬の漢方薬を内服中は、他の漢方薬の併用は副作用予防のため避けています。
B)下痢が続く場合
柴苓湯 さいれいとう (同114)
  • 小柴胡湯(同9)+五苓散(同17)を同じ成分です。
  • 急性期の投与は基本的には10日以内としています。
【注意点】

間質性肺炎は頻度が低いまれな副作用です。肝障害は約1%程度の頻度で起こり得ますが、通常は中止により速やかに軽快します。いずれも短期間の投与で問題になる可能性は極めて低いと考えます。どちらもアレルギー性と言われていますので、漢方薬による副作用の既往がある場合は投与を控えています。
C)その他:周囲に感染者が出た場合、予防薬として使用(保険適応外)

濃厚接触者に対して、葛根湯(同1番)+補中益気湯(同41番)を使用したことがあります(その後発症せず)。
どちらも3包/日を内服する場合は、7~14日以内が安全です。
  • 普段の予防薬として長期に内服するには補中益気湯が適当と考えます。
  • 最近のオミクロン株は感染力が増しているため、濃厚接触者=ウイルスが既に体内に入った状態と考え、同居家族が発症するなど濃厚接触者になった時点で、希望があれば、治療薬である葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏を投与することがあります。


*「麻黄」が葛根湯に、「甘草」は葛根湯にも補中益気湯にも含まれるため、それぞれ血圧や心拍の上昇、偽アルドステロン症に注意が必要です。
*まれですが、いずれの処方でも薬疹は起こり得ます。

【お問い合わせ】

中東遠総合医療センター 地域医療支援センター
0537-28-8021(直通)/chikirenkei@chutoen-hp.shizuoka.jp