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医療市民講座

 当院では年に4回程度、市民の方を対象に医療市民講座を開催しております。当院に勤務する医師・スタッフによる最先端医療についての講演をどなたでも無料でお聴きいただけます。是非ご来場ください。

認知症と睡眠疾患

副院長 兼 神経内科診療部長
若井 正一 医師

認知症ってどんな病気?

小早川医師
若井医師

 もの忘れは、生理的なものと病的なものの2種類があります。
 加齢による普通のもの忘れは、体験したことの一部を忘れるので、ヒントがあれば思い出すことができます。しかし、認知症の症状によるもの忘れは、体験全体を忘れているので思い出すことが困難になり、日常生活に支障をきたしてしまいます。
  認知症に似たような病気の中で、間違われやすいのが「せん妄」や「うつ」です。他にも、「過眠症」や高齢者による「てんかん」なども、もの忘れや意識障害などが起きるので認知症と間違われやすいです。

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生活習慣病の治療が認知症の予防につながる

 現在、認知症の人は約7人に1人と言われていますが、団塊世代が75歳を迎える2025年には、約5人に1人が認知症であると想定されています。  
 九州大学が行っている研究によれば、糖尿病の人は認知症を併発するリスクが高いという報告があります。
 2013年に発表されたイギリスの研究では、イギリスの国内において1990年代に比べて2010年代では23%も減少していることがわかりました。イギリスでは、生活習慣病の対策を個人任せにせず、国民の塩分摂取量の適正化、たばこの自販機の禁止など、社会全体の仕組みで対応したことが、認知症の減少させることに成功しました。

認知症の中核症状とBPSD(行動・心理症状)

 認知症の症状は、「中核症状」と「BPSD(行動・心理症状)」の2つに分けられます。

 「中核症状」は、認知症の方であれば誰しもが抱える症状のことを言います。
  • 記憶障害
  • 見当識障害
  • 実行機能障害
  • 失認
  • 失語
  • 失行
 「BPSD(行動・心理症状)」は、周囲の人との関わりのなかで起きてくるため、人それぞれ症状の表れ方が違います。
  • 徘徊
  • 妄想
  • 暴言、暴力
  • うつ
  • 幻覚など

認知症の予防と治療

 認知症にはさまざまな種類があります。  
 昔は、脳血管性の認知症が半数を示していましたが、今は6〜7割がアルツハイマー型認知症と診断されています。  
 認知症は発症するずっと前から、生活習慣の積み重ねが深く関係しています。発症のリスクを予防するために、日頃の食習慣や運動習慣を見直すことが大切です。1日30分の有酸素運動(早歩き・水泳・なわとび)がリスクを下げる効果があると言われています。  
 現段階では、認知症を根本的に治療する薬はありません。しかし、日本国内にはアリセプト、イクセロン/リバスタッチ、レミニール、メマリーの薬で、認知症の進行を遅らせたり症状を改善することができます。

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睡眠不足による影響

 日本人の睡眠時間は、短くなり続けています。調査によれば、睡眠時間が6時間以下の人は平成20年には全体の3割未満、平成27年のデータでは4割近くに急増しました。しかし、7時間以上の人は34.5%から26.5%へ大幅に減りました。
 東北大学が行った研究結果では、平均睡眠時間が6時間以下の人は、7時間寝ている人に対して、乳がんのリスクがおよそ1.6倍になることがわかりました。
 睡眠不足が認知症になるリスクを高める可能性があることも、最新の研究でわかってきました。認知症発症に大きく関係する物質として注目されているのが「アミロイドベータ」です。アミロイドベータの蓄積が、発症の20〜30年前からと言われています。  
 高齢者の場合、体に必要な睡眠時間は40〜50代のころと比べて減るとされているので、必ずしも7〜8時間寝る必要はありません。「8時間寝なければ」と意識しすぎるとそれがストレスになり、かえって不眠につながることもあるので気をつけてください。


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