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医療市民講座

 当院では年に4回程度、市民の方を対象に医療市民講座を開催しております。当院に勤務する医師・スタッフによる最先端医療についての講演をどなたでも無料でお聴きいただけます。是非ご来場ください。

関節リウマチと骨粗鬆症(こつそしょうしょう)治療の最前線〜そのお薬で大丈夫ですか?〜

整形外科部長兼リウマチ科部長
小早川 知範 医師

関節リウマチってどんな病気?

小早川医師
小早川医師

 関節リウマチは、体内の免疫システムの異常によって起こる病気で、手足の指などの小さい関節、膝や肩関節など大きな関節にまで炎症を引き起こす病気です。
 一昔前までは、関節リウマチはゆっくりと進行すると考えられていましたが、最新のデータは、発症後2年以内、もっといえば、3か月以内に炎症を抑えるべく適切なリウマチ治療を行わないと、不可逆的な関節破壊が生じる事が分かってきました。
 炎症とは、関節に生じる火事に例えられます。火事が起きたらすぐに火を消さなければなりません。鎮火が遅れると、火はあちこちに飛び散ってしまいます。つまり、色々な関節に炎症が広がってしまいます。また、鎮火が遅れると、その場所は焼野原になってしまいます。関節の炎症も同様に、炎症を早く抑えないとその関節は、焼野原つまり、関節が破壊されてしまいます。そのため、現在では、早期発見・早期治療が最も予後を左右する重要なポイントと言えます。

関節リウマチの治療

 抗リウマチ薬の進歩により関節破壊を予防し、健常者と同等の生活を送れる事が可能な時代になりました。
 ただし、二つほど大事なポイントがあります。
 一つ目は、早期に診断し、専門医による適切な治療が行われる事です。関節リウマチは、発症してから治療開始までの期間が短く、そして、その治療がしっかり効果を示している事が大切です。いかに早く治療が開始されても、適切ではない治療を行っていては、関節破壊は抑制できません。
 二つ目は、治療薬を完全に中止できる確証がいまだにない事です。つまり、関節痛もなくなり、体の調子がとてもいい状態でもリウマチのお薬は、基本的には継続する事が必要です。中止すると、関節痛がまたでてきてしまうのです。もちろん、薬剤を減量する事は可能ですが、特に、関節リウマチの病勢を安定させるまでに時間のかかった患者さんでは、薬剤の中止は難しい事が分かっています。
 現在もどんどん新しい薬が開発され、関節リウマチの研究が進んでいます。患者さん一人ひとりのニーズに沿った治療ができる時代となりましたので、気になったらぜひ早めに医療機関に相談しましょう。 

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骨粗鬆症って?

 近年の高齢化社会において骨粗鬆症患者は年々増加しており、それに伴い骨折してしまう患者さんが後をたちません。
 骨粗鬆症自体では無症状なので、ついつい放置しがちです。そもそも、骨粗鬆症があると何が問題なのでしょうか?それは、骨折しやすい骨になってしまっているため、つまずいて転倒したり、場合によっては重いものを持ち上げたり、寝返りをうっただけで骨折してしまう事もあります。骨折してしまうと、寝たきりになる可能性が高くなってしまうため、骨折しない骨作りをする事が最も大切です。

治療が必要な方

 では実際に、どういう人が骨粗鬆症の治療が必要か考えてみましょう。
 日本骨粗鬆症学会のガイドラインより、骨折歴の有無と骨密度の値が重要となります。まず、大腿骨や脊椎の骨折を一回でも起こした事がある人は、骨粗鬆症と診断され、即治療開始となります。大腿骨や脊椎骨折は生じた事はないが、手関節や肋骨など他の部位で骨折を生じた事がある場合は、骨密度YAM80%未満にて骨粗鬆症と診断し治療開始となります。
 今までに骨折歴のない方でも骨密度がYAM70%以下だと治療開始となります。ここで言う、骨密度測定は、股関節や脊椎で測定する事が推奨されていますので、測れる施設でしっかり検査してみましょう。

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さいごに

 骨粗鬆症薬は、年々、新薬が開発され、色々な作用機序の薬剤が登場してきています。
 薬剤の種類によっては、その患者さんの病態に合わない薬も存在するため、患者さん一人ひとりに合わせた最適な骨粗鬆症治療薬を選択する必要があります。
  骨粗鬆症も高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同じように、日々注意が必要です。骨粗鬆症薬も医学の進歩に伴い新しい治療がどんどんでてきています。適切な治療を行い、骨折による寝たきりを防ぎましょう。


ロコモをSTOP! 骨と筋肉を丈夫にする食事

栄養室長
天野 香世子 管理栄養士

ロコモとは

天野管理栄養士
天野管理栄養士

 ロコモティブシンドローム、通称「ロコモ」、日本語に訳すと「運動器症候群」は、骨、関節、軟骨、椎間板、筋肉といった運動器に障害が起こり、立ったり、歩いたりする機能が低下している状態を言います。
 健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。介護が必要になった理由を国が調査したところ、高齢による衰弱、骨折・転倒、関節疾患、つまりロコモが原因で介護が必要になっている方が、全体の3割以上という結果でした。ロコモは寝たきりとなる大きな要因ですが、他の病気と違い予防することが可能です。

骨を丈夫にする栄養素

 骨を丈夫にする最も重要な栄養素はご存じのとおりカルシウムですが、骨を強くするためにはカルシウムだけではなく、タンパク質やビタミンD、ビタミンKも必要です。
 タンパク質は、骨の大切な材料になるので十分とるようにしましょう。
 ビタミンDは、カルシウムの吸収を高める働きがあります。
 ビタミンKは、骨の形成や維持に働いています。
 これらの栄養素を、毎日の食事で組み合わせてとることが大切です。

筋肉を丈夫にする栄養素

 筋肉を丈夫にする最も重要な栄養素はタンパク質ですが、エネルギー源となる炭水化物や脂質も大切です。
 タンパク質を構成する必須アミノ酸の摂取により、高齢者でも筋タンパクの合成が促進され筋力アップにつながることが研究で明らかにされています。食品には含まれる必須アミノ酸の量がそれぞれ異なりますので、色々な食品を組み合わせてとることが大切です。また、タンパク質の分解や合成を促進する栄養素がビタミンB6です。タンパク質とビタミンB6を一緒にとると効果的といわれています。

ロコモを予防する栄養素を含む食品

 タンパク質は、肉、魚、卵、豆、乳製品に多く含まれます。
 ビタミンB6は、肉、魚、豆、などの身近な食品に含まれている栄養素で、あまり不足することはないのですが、特定の食品に偏らずに食べることが大事です。
 カルシウムは、乳製品や小魚に多く含まれます。
 ビタミンDは、魚に多く含まれます。また、ビタミンDは日光を浴びることで私たちの皮膚でもつくられます。
 ビタミンKは、納豆やほうれん草などに多く含まれています。
 つまり、いろいろな栄養素をバランスよく摂取することがロコモ予防には大事です。

レシピのご紹介

 口から食べる美味しい食事が人を元気にします。主食、主菜、副菜をとりそろえて、毎日の食事を大切にしていきましょう。

骨粗鬆症予防とリハビリテーション

リハビリテーション室
山田 雄司 理学療法士

骨の役割と骨粗鬆症について

山田理学療法士
山田理学療法士

 全身には大人で約206個の骨があります。その役割の一つは、骨格として私たちの体を支えることです。
 骨粗鬆症は、骨をつくるカルシウムなどが減少して骨が脆くなる病気です。その結果、わずかな力によっても骨折が起こります。特に多いのは、大腿骨近位部(だいたいこつきんいぶ)骨折、橈骨遠位端(とうこつえんいたん)骨折、脊椎圧迫骨折などです。
 骨粗鬆症の治療には、薬物療法とあわせてリハビリテーションが重要になります。

加齢による骨の変化

 一生で一番骨が強くなる時期は10代後半〜20歳程度で、その後30歳代後半以降、加齢とともに減少します。特に女性の場合は閉経後に急激に骨量が減少するので、どうしても骨粗鬆症のリスクが高くなります。
 若年者が骨を強くするためには、成人期までに最大骨量をできるだけ高めることが重要であり、成人期以降の女性では閉経までの期間は骨密度を維持、増加させることが重要です。また、閉経に伴う急激な骨密度低下や、骨折の原因となる転倒を防止することが求められます。

ロコモティブシンドロームと骨粗鬆症の関係

 ロコモティブシンドロームとは、骨や関節・筋肉などの運動に関する器官の衰えによって移動機能が低下し、要介護になりやすい状態を表す言葉です。
 原因として、大きくは「バランス能力の低下」「筋力の低下」「骨や関節の病気」の3つが挙げられます。中でも頻度の高い病気の1つとして、骨粗鬆症は位置づけられます。 そのため、骨粗鬆症を予防することは将来ロコモになるリスクを下げることにつながるのです。

骨粗鬆症に対する運動の効果

 運動で骨量・骨強度を増加させるためには、骨に刺激が加わる運動が推奨されます。 骨に荷重などの刺激が加わると微量の電流が骨に伝わり強さが増すと言われています。また、筋肉は腱を介して骨に直接つながっているため筋力トレーニングによって骨に刺激を与える方法も効果的です。

骨粗鬆症と転倒予防に対する運動について

  • 有酸素運動

 一日7,000歩の活動が効果的で、その内15分間は中等度の活動を行う事によって骨粗鬆症予防に効果的とされています。中等度の活動とは、運動の種類は問いませんが、早歩きが最も手軽でずっと続けられる運動だといえます。

  • 筋力トレーニング

 ? 片脚立ち運動 (図1) 左右1分 1日2〜3セット
 バランス能力をつける効果の他に、大腿骨の骨密度改善に効果があると報告されています。

 A スクワット運動 (図2) 5〜15回 1日2〜3セット
 足の前面(大腿四頭筋、前(けい)骨筋)と後面(大殿筋、ハムストリングス)の筋肉を同時に強化し、筋力の増強により転倒予防効果が期待できます。(膝をつま先より前に出さないように行うことで上記の筋が主に使われます)

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※骨折経験や腰痛などの関節痛がある場合は、医師に相談してから運動するようにしましょう。


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