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医療市民講座

 当院では年に4回程度、市民の方を対象に医療市民講座を開催しております。当院に勤務する医師・スタッフによる最先端医療についての講演をどなたでも無料でお聴きいただけます。是非ご来場ください。

あなたのめまいはどんなめまい?〜内耳性めまいを中心に〜

耳鼻いんこう科部長
泉 智沙子 医師

めまいとは?

泉医師
泉医師

 めまいとは、目が回るようなくらくらとした感覚の総称であり、漢字で書くと、眩暈・目眩・眩冒と記載されます。めまいがすると@眼が動き、Aまっすぐに歩けず、B吐き気がします。眼・耳・深部感覚からの情報の異常やくい違いが起こるとバランスがくずれるため、めまいが起こります。
  耳は、外耳・中耳・内耳に分かれていますが、耳が原因でめまいが起こる場合、内耳が大事な役割をしており、内耳の半規管・前庭(ぜんてい)が関わっています。


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めまいは、眼・内耳・脳の異常などで起こります

内耳が原因のめまい

 めまい疾患の頻度として、60%が内耳性のめまいであり、その中でも40%近くは、良性発作性頭位めまい症が占めています。

(1) 良性発作性頭位めまい症
 特定の頭位をとると、回転性めまいが起こり、めまいは徐々に強くなった後、弱くなります。難聴や耳鳴りなどの耳症状は伴わず、7−8割の患者さんは1ヶ月程度で症状が改善します。病態としては、前庭にある耳石のかけらがはがれ、半規管内に入るとめまいを生じます。良性発作性頭位めまい症の治療として、エプリ法など特定の順番で頭を動かす方法があり、はっきりしない場合でも頭を動かす運動を行った方が早くよくなります。

(2) メニエール病
 内耳性のめまいで次に多いのがメニエール病です。内リンパ水腫(すいしゅ)が原因と言われておりますが、内リンパ水腫がなぜ起こるのか、わかっていません。メニエール病の特徴は、回転性めまい・難聴・耳鳴りを繰り返すことです。初めて起こしためまいでメニエール病と診断するのは困難です。
 メニエール病の治療としては、めまい発作が起きたときにはめまい止めの治療を、聴力が低下した場合はステロイドやビタミン剤の投与を行い、内リンパのむくみをとるため、浸透圧利尿剤を内服します。

(3) 前庭神経炎
 突発的な回転性のめまいが数日にわたって持続します。ふらつき・軽いめまいが数ヶ月続くこともあります。聞こえの低下や耳鳴りは認めません。原因は不明ですが、ウィルスなどの感染が考えられています。

(4) 外リンパ(ろう)
 外リンパが中耳へ漏出する状態で起こります。原因として、耳かきを奥に突っ込んだり、強い鼻かみ、重たい物を持ち上げたりすることで起こります。難聴や耳鳴り・めまいなど様々な症状が起こります。保存的治療として、頭を30度挙上した安静状態を保ち、点滴加療を行います。保存的によくならない場合は、瘻孔を閉鎖する手術を行います。

(5) 耳管開放症に伴うめまい
 耳管開放症とは、耳の奥と鼻の奥の管が開きっぱなしになるために起こる病気です。自声強調(自分の声が大きく響く)や耳閉感・ふらふらするめまいが起こることがあります。仰臥位(ぎょうがい)や前屈をすると症状が軽快します。

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内耳が原因でないめまい

 中枢性のめまいとそれ以外のものがあります。
(1) 中枢性めまいとしては、脳出血・脳梗塞・脳腫瘍・椎骨脳底動脈(ついこつのうていどうみゃく)循環不全・神経変性疾患などがあります。
(2) それ以外のめまいとしては、起立性低血圧・高血圧・不整脈・貧血・低血糖・心因性などがあります。

加齢に伴う変化

 年齢が増してくると、前庭の機能は徐々に低下していきます。お年寄りでは、平衡感覚や血圧を調整する能力が衰え、めまいになりやすく、いろいろな病気をかかえているため、原因をみつけにくくなります。

めまいになった後の注意点

 めまいになった後、時間とともに軽快していきますが、平衡機能のリハビリテーションを行うことによって、回復を早くすることが期待できます。
  めまいが、起こらないように心がけることとしては、睡眠や休養を充分にとり、ストレスとうまくつきあうこと、規則正しい食事、禁煙・飲酒はほどほどにすることがあげられます。

乳がんについて

外科部長
松葉 秀基 医師

乳がんの疫学

松葉医師
松葉医師

 罹患率(りかんりつ)は女性のがんの中で第1位(73997人、12人に1人)、死亡率は第5位(13240人、70人に1人)となっています。

危険因子

 年齢的には40代後半が最も多く、60代がそれに続いています。乳がん発症との関連が確実な危険因子は、表1のとおりです。

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表1

乳がんの診断

 乳がんの初期症状として「しこり」がもっとも多く、画像診断はマンモグラフィ、乳腺超音波が主な検査です。
 マンモグラフィの利点は、検査が簡便で石灰化の描出に優れることですが、欠点は痛みを伴い微量ながら放射線被曝があることです。
 乳腺超音波の利点は、無害で腫瘤(しゅりゅう)の描出に優れていますが、欠点は、時間がかかり石灰化の描出に劣ることです。
 乳がんの確定診断には針生検が必須です。針生検では、乳がんの確定診断がつき、さらにホルモン感受性、増殖能、HER2蛋白の過剰発現など乳がんの性質がわかります。
 これらの画像診断、病理組織学的な診断を総合的に評価して治療方針を決めます。

治療

【外科的治療】
 局所の切除は、乳房を全摘する場合と乳房を部分的に切除し、乳房を温存する場合があります。
 腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい)は、画像診断で明らかにリンパ節への転移がある場合、センチネルリンパ節生検が陽性の場合に行います。
 センチネルリンパ節生検とは、乳輪近くの皮下に色素、あるいは放射線元素を注入し、それらが集積したリンパ節(センチネルリンパ節)のみ切除する方法です。センチネルリンパ節に転移があれば陽性、なければ陰性となります。
 腋窩リンパ節郭清には、上肢のリンパ浮腫、神経障害、肩関節の運動障害などの合併症があります。

【薬物療法】
 薬物療法には、ホルモン療法、化学療法、分子標的療法があります。

ホルモン療法
  • ホルモン感受性がある乳がんのみ適応となる。
  • 閉経前と閉経後で薬剤が異なる。
  • 作用は穏やかで、副作用は一般的に軽い。
化学療法
  • 誰にでも一定の効果は期待でき、作用は速やか。
  • 副作用は一般的に重い。
分子標的療法
  • 最も新しい薬物療法で、HER2蛋白の過剰発現のある乳がんのみ適応。
  • 効果は期待でき、副作用もほとんどない。

【放射線療法】
 再発予防で行う術後照射(残存乳房、鎖骨上リンパ節、胸壁)と再発した部位(骨が多い)への局所コントロール、痛みのコントロールなどの目的で行います。局所の副作用(放射線性皮膚炎、患側上肢浮腫等)はあるものの、全身に影響を及ぼす副作用は少ないといわれています。


乳がんのステージ

 ステージ0: 非浸潤癌
 ステージ1: 腫瘍径が2cm以内でリンパ節がない
 ステージ2: ステージ1とステージ3の間
 ステージ3: 腫瘍径が5cm以上の浸潤癌でリンパ節転移がある、
       あるいは腫瘍径にかかわらずリンパ節転移が4個以上ある
 ステージ4: 遠隔転移がある

 乳がんのステージ別の10年生存率は、図1のようになっています。

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図1

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